ピクシー・ワークス

読了。
すっごく面白かった。もともと工学部、また戦闘機好き、AI好き、理系女子好き、もはやストライクなのは当然だった。たまに気分が欝なときはこういう作品と自分の能力なんかを比べて落ち込むけれど、それでもこういうのは大好きですね。


話をかなり適当にいえば、女子高生4人が戦闘機を改修して自我が発現したAIのサポートを受けて空戦。もうこれだけで買い。キャラクターも魅力的で、作中の表現を借りると、ルールを軽視する知識欲の権化でマッドサイエンティスト風味な千鶴、ルールを曲げる体育会系で各種技能に優れさらに頭脳明晰な芹香、ルールを利用して無茶をする日本人形のように清楚ながら機械に強い奈緒子、という知的好奇心と冒険心に溢れる天文部の3人、そしてお目付け役とスケジュール管理能力に優れる生徒会副会長の由衣。この4人の掛け合いだけでも楽しく読むことができた。男のキャラクターは影が薄く、なんだかそれほど必要性を感じないキャラだったが、後方支援をしてくれたと思う…なんにしろ、この頭の良いが故にずれまくってる彼女達を、面白おかしくかけてた。いやみったらしくなくこういうのが書けるのは良いです。


全体として、改修パート、空戦パートの分量がなかなか良い感じ。改修パートをそれほど詳しくやらずに正解です。僕はどうせ読んでも分からないので過ごそうということさえ分かればそれで、しかし千鶴のキてるところなどは非常に共感せざるを得ないです。空戦パートはリアリティがとかはさすがに空戦をしたことも無いので分からないですが、熱くて良かった。やはり人工知能のサポートは大好き。しかしAIがあれだけ操縦できるなら人間要らない…最後のAIの行く末がやはり好き。そして最後でもやはりなんとも要らない子の雰囲気をかもし出す男のキャラクター。あと報酬安い。


とっても2巻が出そうなまとめ方。またあのコネから依頼が来て、トラブルに巻き込まれてといった内容なら、続刊は出ないほうが良いかも。こういうのは1冊で完結するのが良いかな?当然2巻が出たら買うのですが。


戦争後の政治的や思想的な話はそれほど好まないのでその点だけはそれほど、日本に責任取れーとかあんまり好きではないのでちょっと気になった。やはり、人の迷惑顧みずやりたいからやってやったぜ!というほうが好きかな。勿論本人達はそうなんですが、後ろでそれを操ってる大人たちというのが気に入らない。でもそうでもなければ戦闘機なんて飛ばせないのも事実。むぅ。