久しぶりに本を2度読んだ

春期限定いちごタルト事件
夏期限定トロピカルパフェ事件
秋期限定栗きんとん事件 上下
創元推理文庫

 米澤穂信面白い。2度目は、伏線をきちんと読み取ることができ1度目とはまた違った面白さがある。
 僕は推理物をたくさん読んでるわけではない。ちょっと読んだが、あまり自分には合わないような気がしたからだ。どうも推理小説は作者に読者が挑戦するような姿勢で一字一句逃さず読み、疑い、伏線を探し、探偵役という名の作者によるネタばらしが行われる前に、事件の真相というよりは、トリックそのものを見つける必要性があるように感じてしまい、解けないと敗北感を感じ、伏線の張り方にアンフェアだと文句を付け、挙句の果てには、そもそもこんなトリック使った事件なんて起こらない非現実的だと、推理小説そのものの否定に近い思いを抱いてしまう。
 その点この作者のは謎の度合いが程よく心地よい。1冊を通じた事件とは別に複数の小さな事件があり、1冊の中で複数回謎に挑むことができる。この小さな事件はページ数もそれほどたいしたことが無く、無理なく読み返すことができ、僕のような、推理小説を読む素養が無い人でも、気楽に謎に挑戦することができる。そしてかなりきちんと、事件を解く鍵を配置してある。加えて、小鳩君と小佐内さんのキャラクターとしての魅力も高い。実は結構こういう本がたくさんあるというのなら、推理小説のジャンルに足を踏み入れるのも良いかもしれないな。

にしても、冬期限定が楽しみすぎる。